
ビール醸造で使う用語のメモ。
ウォート
ウォート(Wort)とは、ビールの発酵前の麦汁(ばくじゅう)のこと。
これは、モルト(麦芽)をお湯で糖化し、ホップを加えて煮沸した後の液体で、酵母を加えて発酵させることでビールになります。
ウォートの作り方(糖化 → 煮沸)
ウォートは、ビール醸造の最初のステップで作られます。
1.マッシング(糖化)
麦芽(モルト)をお湯(60〜70℃)で煮込み、デンプンを糖に変える工程。
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温度によって糖の種類が変わる
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低温(62〜65℃):より発酵しやすい糖ができ、ドライなビールに
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高温(68〜72℃):発酵しにくい糖が残り、甘みのあるビールに
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📌 例:IPAなら低温寄り、スタウトなら高温寄りでマッシングすることが多い。
2.ロイターリング(麦汁のろ過)
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糖化が終わった後、麦芽のカスを取り除き、クリアなウォートを抽出する。
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ろ過後の液体が プレウォート(Pre-wort) と呼ばれる。
3. ボイリング(煮沸)
ウォートを約60〜90分煮沸し、ホップを加えて苦味と香りを調整する。
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ホップを入れるタイミングでビールの味が変わる
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60分前 → 苦味が強くなる
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15分前 → 風味が強くなる
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5分前 or ドライホップ → 香りが際立つ
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📌 例:ウエストコーストIPAは長めにホップを煮込んで苦味を強調する。ヘイジーIPAは後半にホップを入れて香りを引き出す。
4. チリング(冷却)
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煮沸後のウォートを素早く冷却(約20℃) し、発酵可能な状態にする。
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酵母を投入(ピッチング)する前に、空気と接触しすぎないように注意。
ウォートの種類
ウォートは、段階ごとに異なる呼び方をします。
ウォートの種類 | 説明 |
---|---|
プレウォート(Pre-wort) | マッシング後、ホップを加える前の麦汁 |
ホットウォート(Hot Wort) | 煮沸中のウォート |
コールドウォート(Cold Wort) | 冷却後のウォート(酵母を投入する前の状態) |
ウォートの管理がビールの品質を決める
✅ 糖化温度の管理 → 甘さやドライさに影響
✅ ホップの投入タイミング → 苦味・香りのバランスに影響
✅ 冷却のスピード → 酵母の健康と発酵のスムーズさに影響
コールドクラッシングとは
コールドクラッシングとは、発酵後のビールを短期間(1〜3日間)低温(0〜4℃)に冷却するプロセスです。この方法は、ビールをクリアに仕上げるために行われます。
コールドクラッシングの目的と効果
- 濁りを取り除く(清澄化)
- 低温にすることで、酵母やホップの残りカス、たんぱく質が沈殿 し、ビールが透明になる。
- クリアなビール(ラガーやウエストコーストIPAなど)を作るのに有効。
- ホップや酵母の雑味を抑える
- 残った酵母がビールから落ちることで、酵母由来の風味が減る。
- ホップのカスも沈むため、苦味がスムーズになり、雑味がなくなる。
- 瓶詰めや樽詰めを楽にする
- 沈殿物が少なくなるので、瓶詰め時に濁りを減らし、炭酸がクリアに仕上がる。
コールドクラッシングのやり方
🔸 ステップ 1: 一次発酵が終了したことを確認
➡ 比重計で測定し、比重が安定(例: FG 1.010) していれば発酵完了。
🔸 ステップ 2: 発酵容器を冷蔵庫に入れる
➡ 0〜4℃(冷蔵庫の温度)にセットし、24〜72時間 放置。
➡ 可能なら発酵容器のバルブや蛇口を少し高い位置に設置 し、沈殿物を避ける。
🔸 ステップ 3: 瓶詰めまたは樽詰め
➡ 沈殿した酵母やホップのカスをできるだけ吸い込まないように、上澄みだけを移す。
コールドクラッシングの注意点
⚠ 温度ショックに注意
➡ 発酵中のビールを急に冷やしすぎると、酵母がダメージを受ける 可能性あり。
➡ 温度をゆっくり下げる(数時間かけて0℃へ)。
⚠ 瓶内発酵(カーボネーション)に影響する
➡ コールドクラッシング後、酵母がほぼ沈殿するため、瓶内二次発酵(炭酸を作る)用の酵母が足りなくなる 可能性あり。
➡ 瓶詰め時に、少量の新しい酵母を追加 することで解決できる。
⚠ オキシダイズ(酸化)に注意
➡ 温度が下がると、ビールが空気を吸い込みやすくなる ため、酸化を防ぐ工夫(CO₂パージなど)が必要。
サイフォン(サイフォンの原理)とは
ビール醸造における、ウォートの移動(鍋から発酵ボトル、発酵ボトルからボトリング容器)には欠かせない技術です。
慣れないと絶対こぼしますが、慣れれば簡単!
サイフォンの原理とは?
サイフォン(Siphon)の原理とは、液体が重力と大気圧を利用して高い位置から低い位置へ流れる現象のこと。
チューブやパイプを使い、一度液体を高い位置から下げることで、ポンプなしで液体を移動させることができます。
サイフォンの仕組み
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液体の入った容器(A)から、別の容器(B)へ移動させる。
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チューブの片方をAの液面より下に、もう片方をB(より低い位置)の底へ伸ばす。
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チューブ内の空気を抜き、液体を満たす。(口で吸う or ポンプで吸い上げる)
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液体がチューブを通り、Aより低いBへと自然に流れ続ける。
サイフォンが動く理由
✅ 重力 → 液体は高い場所から低い場所へ流れる
✅ 大気圧 → AとBの気圧のバランスで流れを維持
✅ 液体の連続性 → チューブ内に液体が詰まっている限り流れが続く
📌 ポイント:出口(B)の液面が、入口(A)の液面より低い状態を維持すること!
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